ご本宅と並んで立っている小屋を、さすがに敷地まで立ち入ってぐるぐるじろじろ観るわけにはいかないのよねえ。声かけられたらどう答えようか、いつも逡巡する。
「怪しいものではありません」
「いや怪しいじゃないか十分」
「そうかもしれません。でもほんとは怪しくないのです、私は旅する小屋ウォッチャーなのです」
「なにそれ」(仮問答)
嗚呼わたしは人畜無害です。でも初対面のその瞬間に他者へ伝えきれない。あぁ気が済むまで鑑賞したい銘品がまた……。
こちらも美しい小屋ですねえ。屋根は入母屋造りといっていいのだろうけど、破風の収まりとわずかな反り返りに品がある。4連+ひとまわり大きい1枚は、引き戸、なのか?なのでしょうね。中2枚に窓が切ってある。古い硝子。よく観ると土台にも曲がり材を敷いていて、地の業でしっかり架構を組んであるぽい。なかなかこれは凝った造りですぞ。さらっとしてるけど。
土の荒壁、塗り直せばさらに良くなるだろうなあ。